なし狩りで子どもが「重い!」と驚いた話—梨の重さを食育に変えた
2026-08-18
「これ、こんなに重いの?!」
なし農園で娘(5歳)が初めて梨をもぎ取った瞬間のことは今でも鮮明に覚えています。「ポキッ」という小気味いい音とともにヘタが外れて梨が手の中に収まった次の瞬間、娘は驚きのあまりよろけそうになりました。
「おもい!!」
両手でしっかり抱えてキラキラした目で私を見上げる娘の顔。そのリアクションがかわいくて笑いながらも「本当に重いね、どのくらいだろうね」と話しかけると、娘は真剣な顔で「りんごよりも重い気がする」と言いました。
それが農園での食育会話のスタートでした。
梨はなぜこんなに重い?
農園のスタッフさんが近くにいたので、娘に「聞いてみようか」と声をかけてみました。スタッフさんに「梨ってなんでこんなに重いんですか?」と聞くと、にっこり笑いながら答えてくれました。
「梨は約90%が水分なんですよ。重さのほとんどが水でできているんです」
娘は目を丸くして「みず?!梨の中に水が入ってるの?」と聞き返しました。スタッフさんは「食べたらわかりますよ。ほら、果汁がたくさん出てくるでしょう?あの汁が水分です」と教えてくれました。
この一言が娘の中で何かにつながったようで、その後梨を食べながら「ほんとに汁がいっぱい出る!」「これが水分なんだね」と何度も確認していました。
帰り道に広がった「水分」の話
農園からの帰り道、娘が「ねえ、他の果物も水分でできてるの?」と聞いてきました。これは絶好のチャンスだと思い、少し話を広げてみました。
「そうだよ。果物はだいたいたくさんの水分でできてるの。すいかは約95%が水分で、一番多いんだって。いちごもももぶどうも70〜85%くらいは水でできてる」
「じゃあ食べると水を飲んでるみたいなものなの?」
「そう!だから夏に果物を食べると水分補給になるんだよ。暑い日にすいかを食べたり、もも食べたりするのって、美味しいだけじゃなくてちゃんと体に必要な水分を補ってくれてるんだよ」
娘はしばらく考えてから「だからおばあちゃんが夏は果物食べなさいって言うのか」とつぶやきました。おばあちゃんの言葉と今日の体験が娘の中でつながった瞬間でした。
「なぜ?」から始まる食育は強い
食育というと「栄養を覚えさせる」「食べ物の名前を知る」ようなイメージがあるかもしれませんが、私が一番大切にしているのは「なぜ?」という好奇心を大切にすることです。
娘が「なんで重いの?」と聞いたのは純粋な驚きからでした。そこに正直に、子どもが理解できる言葉で答えてあげると、食べ物への興味が少しずつ育っていく。
スーパーでは「重い梨の方が水分が多くておいしい」と教えてあげれば、自分でベストな梨を選ぶ感覚が身につく。農園で体験したことが日常の買い物場面にも活きていくのが食育の面白さだと思います。
子どもの「驚き」を見逃さないで
「すごい!」「なんで!」「おもい!」という子どもの反応は、学びのドアが開いている瞬間です。忙しい農園体験の中でついスルーしてしまいがちですが、その一言に応えるだけで体験の深さがまったく変わります。
完璧な説明でなくていい。「一緒に考えてみようか」「スタッフさんに聞いてみよう」の一言で十分です。
今年のなし狩り、子どもが「重い!」と言ったその瞬間を、ぜひ食育の入り口にしてみてください。
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